バリ島にはおすすめ観光地や見どころがたくさんありますが、バリ島ってそんな大きな島じゃないので、何回かバリ島に来ている方なら、有名な観光地はだいたい制覇したって方も多いかもしれません。
トゥガナンという村をご存知でしょうか?
昔むかし、バリ島では既にあった土着宗教に仏教や、ジャワ島を通して入ってきたインドのヒンドゥー教が混ざった宗教が信仰されてました。
その後、東ジャワでイケイケだったマジャパイト王朝がイスラム勢力によって衰退した際、ジャワ島からジャワ・ヒンドゥー教徒がバリ島へたくさん逃れてきたんだそうです。
この時、ジャワ・ヒンドゥー教の影響を受け入れて、もともとあったバリの宗教(土着宗教に仏教、ヒンドゥーが混ざった宗教)に合わさったのが現代のバリヒンドゥー教で、それを受け入れず、もともとあったバリの宗教をそのまま信仰してきた人たちのことをバリ・アガと呼んで区別するようになりました。
このバリ・アガの村として有名なのが、風葬で知られるトゥルニャン村と、このトゥガナン村なんですね。
私たちが普段目にするバリヒンドゥー教はジャワヒンドゥーの影響を受けたものなので、古い信仰をそのまま守って来たトゥガナン村の人たちはどんな風に、どんな暮らしをしているのか興味がわきませんか?
ということで、今回はこの「バリ島のちょっとミステリアスな観光地、独特の風習やしきたりを守って暮らすバリ・アガの村、トゥガナン村を散策してみよう!」と思います。
バリ島のたいがいの観光地は制覇した、
トゥガナン村にはまだ行ったことがない、
歴史や信仰に興味がある、
伝統の村の構造や建築を見てみたい、
観光客の多い場所にはあんまり興味がない、
バリ島工芸、アタ製品が好き、
貴重な伝統織物に興味アリ、
南部エリアからちょっと遠出してみたい、
という方にぜひオススメしたい、ちょっと穴場のミステリアスな観光地です。
バリ島ふしぎ発見、スタート!
目次
バリ・アガの村「トゥガナン村」の場所
トゥガナン村はバリ島の東側、カランガッサムにあります。
東エリアの人気リゾート地、チャンディダサからちょっと先くらいになるかな。
住所:Tenganan, Kec. Manggis, Kabupaten Karangasem, Bali 80871
駐車場:大駐車場があります。
入場料:入り口でドネーションを払います。
こちらは駐車場へと続く広場にあるお土産屋さん。
なぜかこの日はほとんど閉まってましたが、ちらっと開いてるお店にはトゥガナン産のアタ製品が売ってました。
そう、トゥガナン村といえばバリ島雑貨でおなじみのアタバッグなどのアタ製品の生産地なんです!
バイヤーさんも買い付けに来るそうなので、アタバッグや雑貨が好きな人はぜひ行ってみましょう。
トゥガナン村の風習の中には、トゲトゲのあるパンダンの葉の剣とアタで作った盾を持って戦うムカレカレという儀式があるんだそうです。なんと本式のアタの使い方は、可愛い雑貨ではなく身を守るための道具でもあったんですね!
アタのランチョンマットなんかを持ってる方、万が一の時、身を守るためにも役立つことを覚えておきましょう^^;
トゥガナン村のアタ製品を買うならオススメのお店はココ!↓
トゥガナン村の中を散策してみよう!
トゥガナン村に行くなら晴れた日がオススメです、暑いけど。曇ってると若干おどろおどろしくも感じそうなので^^;
人っ子1人いないけど、たぶん昼間で暑かったのでみんなお家にいたのかな。
明らかに他のバリの村とは違う感じで、建物も、村の作りも独特です。
石畳がひかれた真っすぐ伸びる通りの途中、途中にに小さな坂があって山側にだんだん登っていく感じになってます。
通りの両端に民家があります。お家の壁と玄関、そのまま次のお家の壁と玄関と続いていく感じ。
このお家はちょっと和風な雰囲気、日本の料亭の玄関みたいだ。
通りの真ん中にはこういう高床式の倉庫みたいなのがあったり、
バレというのか、東屋みたいなものがあったりします。こういうところは共同で使う場所になるなのかな。
ラスタちゃんを発見(^_-)
どんどん奥に進むとこんな味わい深い門がありました。なんか考古学者になった気分。
さらに奥にある建物、たぶんお寺じゃないかな。後ろは森なのか山なのか、自然がドーンと目の前に近い景色。
どんどん奥へ歩いていくと「はちみつ採取してます」みたいな看板を発見。
バリ島に昔からある伝統のお土産物といえばロンタール!これ今けっこう新鮮かも。
加工した植物の葉に傷をつけて描いた部分に炭(たしかキャンドルナッツって言ってたと思う)の色を入れて、超緻密な絵を完成していきます。
掛け軸のようになっていて、ヒンドゥーの神様やバリ島の地図が描かれたのが一般的ですが、もともとは古い書物とかがこんな感じだったのかな。
中にはマハーバーラタの一部が漫画のように描かれたのもあって、まるで手塚治虫の「火の鳥」みたいでした。
植物の先に卵の殻がついてました!
独特の風習が守られているトゥガナン村、これも風習の1つなんでしょうか?
わたし:お父さん、これは何のために?
村のお父さん:デコレーション、可愛いから。
風習ではなかったようです^^;
あ、黄色い鶏!
ピンクの鶏も!
まさかこれも風習ではないでしょう。ヤメテアゲテ、、、
匠の技で作られる魔除けの布、グリンシン
トゥガナン村といえばもう一つ、グリンシンという手織り布を作る村として世界的に超有名なんです。
グリンシンは先に染めた糸を使って、たて糸・よこ糸両方で模様を作っていく経緯絣(たてよこかすり)という技法で織られていて、ダブルイカットと言うんだそうです。
世界中でもあんまり作っているところがないため貴重で、匠の技が成し得る手間も時間もかかる高価な布なんですね。
しかもグリンシンは魔除けの布としても知られていて、病気や災いから守ってくれると信じられてるんだそうですよ。
村のお家はオープンハウスになってるところが多く「どうぞ中に入って見てね!」的な看板がついてたりします。
中に入るとこんな風にたくさんの素敵なグリンシンの布が飾ってあり販売もしています。
確かにすっごい素敵、これは一生ものですね!
とあるお家のイブ、自慢の道具を見せながら「こーやってやるねんで」といろいろ説明してくれました。
これがイブのマシーン。織物のことはぜんぜんわからないけど、模様を作るのにものすごい頭も使いそうだし、ボケ防止どころか天才になってしまいそうだ。
どれくらいの値段がするもんなのかわからないので聞いてみたんですが、細長い短めの帯みたいので1万円くらいと言うことでした。言い値なので、ここから交渉次第だと思いますが、もっと大きいものや手のこんだものは高価になると思います。
いいなーと思っても相場もわからないと躊躇すると思うので、行ったら欲しいかも!と思う人は予め相場などを下調べしておくといいと思いますよ~。
トゥガナン村観光のまとめ
実際に行くまでトゥガナン村のイメージというと、アユナンというぐるぐる回る木のブランコにたくさんの女の子が乗っている映像が鮮明に焼き付いていて、かなり独特の風習がある村なんだと思ってたんです。
なのでもっと閉鎖的だったり、おどろおどろしい感じとかするのかなーなんて思ってたんですが、普段の暮らしぶりはぜんぜんそんなことなくて、村の人もとてもフレンドリーでした。
もう一つのバリ・アガの村、トゥルニャン村に行った時は、風葬現場を見学したりして、けっこうおどろおどろしかったんですが、こちらも興味深い村でした。
とはいえ、トゥガナン村の人も村人以外と結婚してはいけない掟があり、すると村には住めなくなるという決まりがあるのも有名な話ですよね。
もっと勉強すればいろんな歴史ミステリーに触れられると思います。
トゥガナン村のポイントは、
- ドネーションを払って見学させてもらえる
- 思ったよりも親しみやすい村
- 建物や村の構造が新鮮
- 宗教や歴史の勉強ができる
- 素朴でなんか癒やされる
- アタ製品の産地
- 世界的に貴重な魔除けの布、グリンシンの産地
- ロンタールがたくさん売っている
- お祭りや儀式のある時に行けば、見学させてもらえるかもしれない
といったところでしょうか。
トゥガナン村にまだ行ったことがない方、興味がわいた方、ぜひご自身でミステリーハンターになってみてくださいね!
トゥガナン村のあるバリ島東側のエリアは、他にもいろんな見どころがあるので、南エリアに飽きたらちょっと遠出するのにちょうどいいコースですよ!
バリ島の東側へ出かけたら寄ってみたいオススメの場所↓
ではまたね。